5.5. Materials Studio

バージョン

実行モジュールのパス

実行キュー

2025

/work/app/MaterialsStudio/MaterialsStudio25.1

P_030 TP_002 MP_001 CP_001 DP_002 S_001 CS_001

各自のPCにインストールして使用することができます。使用したい方は こちら までご連絡ください。 以下のモジュールが利用可能です。

モジュール名

ライセンス数

主な機能

Visualizer

8

構造モデルの作成とシミュレーションへの入力、計算結果、グラフ、表などの表示・作成

CASTEP_Interface

2

CASTEP実行のための入力ファイルの作成、結果の解析

CASTEP

16

セラミックス、半導体、および金属を含む物質科学分野における固体、界面、および表面における広範囲な物性をシミュレート

DMol3_Interface

2

DMol3 実行のための入力ファイルの作成、結果の解析

DMol3-Solid_State

16

量子力学に基づいた高精度計算を高速で実行可能な事により信頼性の高い物性を高速に予測

Forcite Plus

3

構造と分子の性質の関係、分子間相互作用の理解、および固体、液体、気体の性質を予測

DFTB+

1

物質中の電子特性を研究するための量子シミュレーションソフトウェア

Sorption

1

ローディング曲線、Henry 定数などの基本物性を予測

FlexTS

1

ポテンシャルエネルギー面上の停留点の位置を探索

5.5.1. ゲートウェイサーバへのSSH ポートフォワーディング

事前に ssh_configの追加設定 を実施した上で、 localhostのポートからスーパーコンピューティングシステムのライセンスサーバおよびゲートウェイサーバへ通信を転送するため、 以下のコマンドを実施します。

ssh ms.sc.imr.tohoku.ac.jp

5.5.2. Gateway設定方法

スタートメニューのプログラムから「BIOVIA」を選択し、「Server Console」を選択して起動します。

../_images/MS_4.jpg

「Server Gateways」を右クリックし、新規作成の「Server Gateway」を選択します。

../_images/MS_5.jpg

URLに localhost、 Port Numberに 28888 以下を入力します。

バージョン

Port Number

2025

28888

../_images/MS_6.jpg

Server Gateway に追加されたことを確認します。

../_images/MS_7.jpg

5.5.3. 実行方法

スタートメニューのプログラムから「BIOVIA」を選択し、「Materials Studio」を選択して起動します。

../_images/MS_8.jpg

以下ではCASTEP、DMol3、DFTB+およびFlexTSを実行する例を記述します。

5.5.4. CASTEP の実行方法

Si の例を示します。

1.モデルの構築

../_images/MS_9.jpg

2.パラメータの設定

メニューバーの「Modules」から「CASTEP」、「Calculation」を選択し、パラメータを設定します。

3.ジョブの投入

【Materials Studio からジョブを投入する場合】

Job Control タブで実行先を指定します。

Gateway location

実行するマシン

localhost_28888

大規模並列計算サーバ(Materials Studio 2025)

【コマンドラインからジョブを投入する場合】

「CASTEP Calculation」ダイアログにおいて、「Files」、「Save Files」を選択し、入力ファイルを作成し ます。コマンドラインからのジョブの投入は/work 領域から行いますので、/work 領域に実行ディレクト リを作成し、作成された入力ファイルをスパコンシステムの実行ディレクトリへ転送します。必要なファ イルは以下です。

・ *.params

・ *.cell

*.cell は隠しファイルです。エクスプローラでこの設定を解除してください。

これらのファイルはすべてテキストモードで転送してください。また、ファイル名に空白やカッコを使用 しないでください。

次に、以下のコマンドでスクリプトを実行ディレクトリにコピーします。

・Materials Studio 2025

$ cp /work/app/MaterialsStudio/MaterialsStudio25.1/etc/CASTEP/bin/RunCASTEP.sh ./

実行ディレクトリにジョブ投入スクリプトを作成します。

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l castep=並列数 / 56小数点以下切り上げ の整数
#PBS -q P_030
#PBS -N castep

cd $PBS_O_WORKDIR

./RunCASTEP.sh -np 並列数 Si

・使用例

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l castep=2     ※ 60/56 =1.07・・・ → 2
#PBS -q P_030
#PBS -N castep

cd $PBS_O_WORKDIR

./RunCASTEP.sh -np 60 Si

注意

オプション-l castepの指定をしない場合、ジョブが正常に実行できません。

RunCASTEP.shの引数で並列数の後に指定するのは、入力ファイルの拡張子の前の部分です。 Si.param/Si.cellの場合は、Siとなります。

4.結果の解析

コマンドラインから投入した場合は出力ファイルをPCに転送しておきます。その際、適切なファイルモードで転送する必要があります。 file コマンドを実行した結果が text のものはテキストモード、data のものはバイナリモードで転送します。 メニューバーの「Modules」から「CASTEP」、「Analysis」を選択します。

Density of States

../_images/MS_10.jpg

5.5.5. Dmol3 の実行方法

ベンゼンの例を示します。

1.モデルの構築

../_images/MS_11.jpg

2.パラメータの設定

メニューバーの「Modules」から「DMol3」、「Calculation」を選択し、パラメータを設定します。

3.ジョブの投入

【Materials Studio からジョブを投入する場合】

Job Control タブで実行先を指定します。

Gateway location

実行するマシン

localhost_28888

大規模並列計算サーバ(Materials Studio 2025)

【コマンドラインからジョブを投入する場合】

「DMol3 Calculation」ダイアログにおいて、「Files」、「Save Files」を選択し、入力ファイルを作成します。 コマンドラインからのジョブの投入は/work領域から行いますので、/work領域に実行ディレクトリを作成し、作成された 入力ファイルをスパコンシステムの実行ディレクトリへ転送します。必要なファイルは以下です。

・ *.input

・ *.car

*.carは隠しファイルです。エクスプローラでこの設定を解除してください。

これらのファイルはすべてテキスト形式で転送してください。また、ファイル名に空白やカッコを使用しないでください。

次に、以下のコマンドでスクリプトを実行ディレクトリにコピーします。

・Materials Studio 2025

$ cp /work/app/MaterialsStudio/MaterialsStudio25.1/etc/DMol3/bin/RunDMol3.sh ./

実行ディレクトリにジョブ投入スクリプトを作成します。

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dmol3=並列数 / 56小数点以下切り上げ の整数
#PBS -q P_030
#PBS -N dmol3

cd $PBS_O_WORKDIR

./RunDMol3.sh -np 並列数 benzene

・使用例

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dmol3=2     ※ 64/56 =1.142・・・ →2
#PBS -q P_030
#PBS -N dmol3

cd $PBS_O_WORKDIR

./RunDMol3.sh -np 64 benzene

注意

オプション-l dmol3 の指定をしない場合、ジョブが正常に実行できません。

RunDMol3.sh の引数で並列数の後に指定するのは、入力ファイルの拡張子の前の部分です。

benzene.input/benzene.car の場合は、benzene となります。

4.結果の解析

コマンドラインから投入した場合は出力ファイルをPCに転送しておきます。その際、適切なファイルモードで転送する必要があります。

file コマンドを実行した結果が text のものはテキストモード、data のものはバイナリモードで転送します。

メニューバーの「Modules」から「DMol3」、「Analysis」を選択します。

Orbitals(HOMO:右、LUMO:左)

../_images/MS_12.jpg

5.5.6. DFTB+の実行方法

カーボンナノチューブの例を示します。

1.モデルの構築

../_images/MS_13.jpg

2.パラメータの設定

メニューバーの「Modules」から「DFTB+」、「Calculation」を選択し、パラメータを設定します。

3.Perlスクリプトの作成

Project ウィンドウの入力ファイルのディレクトリで、右クリックし、[New]-[Perl Script Document]を選択します。以下のPerlスクリプトが生成されます。

#perl!
use strict;
use Getopt::Long;
use MaterialsScript qw(:all);

最終行に以下の文字列を追加します。

my $doc = $Documents{“入力ファイル”};

DFTB+ Calculation ウィンドウで Runボタン脇の[Copy Script]をクリックして、Perlスクリプトの最終行に追加します。

最終的なPerlスクリプトは以下のようになります。

#perl!

use strict;
use Getopt::Long;
use MaterialsScript qw(:all);
my $doc = $Documents{“SWNT.xsd”};
my $results = Modules->DFTB->GeometryOptimization->Run($doc, Settings(
OptimizeCell => ‘Yes’,
SKFLibrary => ‘CHNO’,
CalculatiBandStructure => ‘DispersionAndDos’));

4.ジョブの投入

ジョブはコマンドラインから投入します。Materials Studioからの投入はできませんので、ご注意ください。 コマンドラインからのジョブの投入は/work 領域から行いますので、/work 領域に実行ディレクトリを作成 し、作成された入力ファイルをスパコンシステムの実行ディレクトリへ転送します。必要なファイルは以下です。

・ *.pl

・ *.xsd

これらのファイルはすべてテキスト形式で転送してください。また、ファイル名に空白やカッコを使用しないでください。

次に、以下のコマンドでスクリプトを実行ディレクトリにコピーします。

・Materials Studio 2025

$ cp /work/app/MaterialsStudio/MaterialsStudio25.1/etc/Scripting/bin/RunMatScript.sh ./

実行ディレクトリにジョブ投入スクリプトを作成します。

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dftb=1
#PBS -q P_030
#PBS -N dftb

cd $PBS_O_WORKDIR

./RunMatScript.sh -np 並列数 SWNT

・使用例

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dftb=1
#PBS -q P_030
#PBS -N dftb

cd $PBS_O_WORKDIR

./RunMatScript.sh -np 56 SWNT

注意

オプション-l dftb の指定をしない場合、ジョブが正常に実行できません。

RunMatScript.sh の引数で並列数の後に指定するのは、Perl スクリプトファイルの拡張子の前の部分です。 SWNT.plの場合は、SWNTとなります。

5.結果の解析

出力ファイルを PC に転送しておきます。その際、適切なファイルモードで転送する必要があります。 file コマンドを実行した結果が text のものはテキストモード、data のものはバイナリモードで転送します。 メニューバーの「Modules」から「DFTB+」、「Analysis」を選択します。

../_images/MS_14.jpg

5.5.7. FlexTS の実行方法

naphthalocyanine の例を示します。

1.モデルの構築

../_images/MS_15.jpg

2.Perlスクリプトの作成

Project ウィンドウの入力ファイルのディレクトリで、右クリックし、[New]-[Perl Script Document]を選択します。 以下のPerlスクリプトが生成されます。

#perl!

use strict;
use Getopt::Long;
use MaterialsScript qw(:all);

最終行に以下の文字列を追加します。

my $doc = $Documents{“入力ファイル”};

Perl スクリプトは以下のようになります。

#perl!

use strict;
use Getopt::Long;
use MaterialsScript qw(:all);
my $doc = $Documents{“入力ファイル”};

3.計算方法の設定

FlexTS はDFTB+およびDMol3モジュールにて、[Minimum Energy Path]タスクとして実装されています。

・DMol3 モジュールで実行する場合

[Modules]-[DMol3]-[Calculation]を選択し、[Setup]タブの Task にて「Minimum Energy Path」を選択します。 必要に応じて各種パラメータを調整します。

・DFTB+モジュールで実行する場合

[Modules]-[DFTB+]-[Calculation]を選択し、[Setup]タブの Task にて「Minimum Energy Path」を選択します。 必要に応じて各種パラメータを調整します。

4.Perlスクリプトの作成

Calculation ウィンドウで Runボタン脇の[Copy Script]をクリックして、Perlスクリプトの最終行に追加します。 最終的なPerlスクリプトは以下のようになります。

・DMol3 の場合

#perl!

use strict;
use Getopt::Long;
use MaterialsScript qw(:all);
my $doc = $Documents{“reactor-product.xsd”};
my $results = Modules->DMol3->MinimumEnergyPath->Run($doc, Settings(Quality => ‘Medium’));

・DFTB+の場合

#perl!

use strict;
use Getopt::Long;
use MaterialsScript qw(:all);
my $doc = $Documents{“reactor-product.xtd”};
my $results = Modules->DFTB+->MinimumEnergyPath->Run($doc, Settings(
Quality => ‘Fine’,
MEPRunMode => ‘TS Path’,
MEPCompareEnergiesOnly => ‘Yes’,
Charge => ‘2’,
UseDC => ‘Yes’,
SpinUnrestricted => ‘Yes’,
UseSmearing => ‘No’));

5.ジョブの投入

ジョブはコマンドラインから投入します。Materials Studioからの投入はできませんので、ご注意ください。 コマンドラインからのジョブの投入は/work 領域から行いますので、/work 領域に実行ディレクトリを作成し、 作成された入力ファイルをスパコンシステムの実行ディレクトリへ転送します。必要なファイルは以下です。

・ *.pl

・ *.xsd / *.xtd

・ *.arc (DFTB+を使用する場合)

*.arc は隠しファイルです。エクスプローラでこの設定を解除してください。 これらのファイルはすべてテキスト形式で転送してください。また、ファイル名に空白やカッコを使用しないでください。

次に、以下のコマンドでスクリプトを実行ディレクトリにコピーします。

・Materials Studio 2025

$ cp /work/app/MaterialsStudio/MaterialsStudio25.1/etc/Scripting/bin/RunMatScript.sh ./

実行ディレクトリにジョブ投入スクリプトを作成します。

・DMol3 の場合

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dmol3= round up MPI tasks / 56
#PBS -l flexts=1
#PBS -q P_030

cd $PBS_O_WORKDIR

./RunMatScript.sh -np 並列数 reactor-product

RunMatScript.shの引数で並列数の後に指定するのは、Perlスクリプトファイルの拡張子の前の部 分です。reactor-product.plの場合は、reactor-productとなります。

・使用例

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dmol3=2
#PBS -l flexts=1
#PBS -q P_030

cd $PBS_O_WORKDIR

/RunMatScript.sh -np 112 reactor-product

注意

オプション-l dmol3、-l flextsの指定をしない場合、ジョブが正常に実行できません。

RunMatScript.shの引数で並列数の後に指定するのは、Perlスクリプトファイルの拡張子の前の部分です。 reactor-product.plの場合は、reactor-productとなります。

・DFTB+の場合

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dftb=1
#PBS -l flexts=1
#PBS -q P_030

./RunMatScript.sh -np 並列数 reactor-product

・使用例

#!/bin/sh
#PBS -l select=1
#PBS -l dftb=1
#PBS -l flexts=1
#PBS -q P_030

/RunMatScript.sh -np 112 reactor-product

注意

オプション-l dftb、-l flextsの指定をしない場合、ジョブが正常に実行できません。

RunMatScript.shの引数で並列数の後に指定するのは、Perlスクリプトファイルの拡張子の前の部 分です。reactor-product.plの場合は、reactor-productとなります。

6.結果の解析

出力ファイルを PC に転送しておきます。その際、適切なファイルモードで転送する必要があります。 file コマンドを実行した結果が text のものはテキストモード、data のものはバイナリモードで転送します。

Connected Path

../_images/MS_16.jpg

5.5.8. ジョブの実行確認

【Materials Studio からジョブを投入した場合】

ジョブの状態は、Materials Studio の画面右下の「Jobs」ペインで確認できます。

【コマンドラインからジョブを投入した場合】

ジョブの状況を含む情報表示コマンドはスーパーコンピュータと同じです。 詳細は 3.5.2. ジョブの状態を確認 をご参照ください。

5.5.9. ジョブのキャンセル

【Materials Studio からジョブを投入した場合】

Materials Studio 画面右下の「Jobs」ペインで対象のジョブを右クリックし、プルダウンメニューの「Actions」から「Stop」を選択します。

../_images/MS_17.jpg

しばらくすると、「JobStatus」が terminated となり、以下のポップアップが起動し、ジョブは停止します。 Job Completed のポップアップが最終的に起動します。

../_images/MS_18.jpg