CCMS

東北大学 金属材料研究所 計算材料学センター

Center for Computational Materials Science

センター概要

センター長の挨拶

計算材料学センター長 久保 百司
 計算材料学センター長 久保 百司

 豊かで暮らしやすいWell-beingな社会の創造に加えて、地球温暖化や異常気象を抑制するためのカーボンニュートラルの実現、大規模災害時などに人命を守り迅速に回復するレジリエンス国家の構築、サイバー空間と現実空間を高度に融合したシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0の創成など、人類が目指す未来社会の実現に向けて、計算科学・データ科学への期待は益々大きくなってきています。
 現在、文部科学省のもとで、日本のフラッグシップスーパーコンピュータ「富岳」を活用した計算科学・データ科学の推進を目的としたスーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムが進められており、本センターを運営機関とする「計算材料科学が主導するデータ駆動型研究手法の開発とマテリアル革新(DDCoMS)」(課題責任者:久保百司)もその一つとして令和5年度から、サブ課題A:構造材料、B:磁性材料、C:電気化学材料、D:エレクトロニクス材料、E:バイオ・高分子材料の5つのサブグループ、約120名もの大規模な組織体制で研究開発が進められています。特に、「富岳」でしか遂行できない大規模計算・長時間計算・大量計算に基づく革新的な計算科学手法・データ科学技術の開発が進められています。
 本センターのスーパーコンピュータは、「富岳」を頂点とする日本の計算資源のヒエラルキーの中で、「富岳」に直結する第2階層に位置しており、材料科学の発展に貢献することが強く求められています。本センターでは、2025年6月からHPE Cray XD220vとHPE Cray XD670を中心とした新しいスーパーコンピューティングシステム”MASAMUNE-弐”の稼働をスタートさせました。前システムと比較して、演算性能は4PFLOPSに増強されており、ユーザーの皆様のニーズにあわせた3つのサブシステムから構成されています。本センターでは、国際共同利用・共同研究拠点としてスーパーコンピュータの計算資源を日本のみならず海外の材料科学コミュニティへ提供するとともに、スーパーコンピュータ用のアプリケーションソフトの開発と材料科学への応用展開を推進する役割を担っており、独創性のあるセンターとして材料科学分野に資する研究を発展させていければと思っております。今後とも、皆様方からのご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。

業務内容

本センターは次に挙げる業務を行っています。

[スーパーコンピューティングシステム業務]

  1. 本研究所のスーパーコンピューティングシステムの運用並びに維持管理
  2. 本研究所のスーパーコンピューティングシステムの利用支援全般
  3. 本研究所のスーパーコンピューティングシステムを活用したシミュレーションの並列化支援
  4. 本研究所のスーパーコンピューティングシステムで稼動するアプリケーションソフトの講習会開催

[研究・開発]

  1. スーパーコンピュータ用の超大規模アプリケーションソフトの開発と応用
  2. マルチフィジックス計算科学手法の開発と材料設計への応用シミュレーション
  3. マルチスケール材料科学の基礎理論研究と応用シミュレーション
  4. マテリアルズ・インフォマティクス技術の研究と材料開発への応用

[他機関・他プロジェクトとの連携・支援]

  1. HPCI (High Performance Computing Infrastructure) との連携
  2. 計算物質科学スパコン共用事業に対する計算機資源の提供(東大物性研・分子研のスーパーコンピュータセンターとの連携)
  3. スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムとの連携・支援
  4. 計算物質科学人材育成コンソーシアムの運営
  5. 計算物質科学協議会の運営機関としての役割(東大物性研・分子研のスーパーコンピュータセンター、阪大エマージングサイエンスデザインR3センターとの連携)