計算材料学センターの役割
計算材料学センターは、1994年の初代スーパーコンピューティングシステム導入以降、幾度かのシステム更新を行いながら金属材料研究所の共同利用施設として計算材料学分野を中心に利用されてきました。
2009年には全国共同利用・共同研究施設の体制を確立し、材料科学分野の全国共同利用・共同研究拠点として、材料研究への計算資源の提供を通し、数々の研究成果の輩出に貢献してきました。2018年には全国共同利用・共同研究施設から国際共同利用・共同研究施設に移行し、国際的にも計算材料学研究の発展と分野振興を推進しています。
さらに、2018年のシステム更新によって、これまでの計算材料学研究における物理現象の予測や物質設計への応用といった要請に加え、GPUによる超並列計算やマルチスケールシミュレーション、インフォマティクスなど多様化する新しい研究ニーズに応える計算資源の提供が可能となりました。これにより、世界的に早急な対応が求められているエネルギー問題・環境問題を解決する材料技術の創製、豊かで暮らしやすい未来社会を創造するとともに我が国の国際競争力を強化するデバイス・エレクトロニクス材料の開発、さらには持続可能な安全・安心社会を実現するための社会基盤を支える新材料の創出に寄与することを目的としています。また、スーパーコンピュータを最大限に活用した新材料・新物質に関する最新の研究成果を配信していくことで計算材料学分野の発展に貢献します。
また、計算物質科学スーパーコンピュータ共用事業として、スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムやデータ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクトに参画している研究者への計算資源の提供、計算物質科学人材育成コンソーシアムの運営、アプリケーションソフトの並列化支援、アプリケーションソフト講習会の開催などを通じて、日本における計算物質科学の分野振興事業に対して積極的な支援活動を実施しています。