金属材料研究所第105回講演会で本センター技官が3編ポスター発表

 

平成15年5月29日(木),30日(金)に行われました標記講演会に,本センターより3編,ポスター発表として参加しました。


1.「物理乱数を用いた超大規模モンテカルロシミュレーションによる濾過現象を例とした表面現象へのアプローチ」 野手 竜之介

概要:金研では,機能材料としての薄膜結晶や単層,多層膜の開発が盛んに行われています。また表面解析,表面分析の研究開発も
多く行われています。
これらの基本は表面現象で,それを詳細に調べることから研究は始まります。表面現象解析にシミュレーションを用いることは行わ
れていますが,数としては少なく,各々の分野でシミュレーション解析を導入することにより,研究開発をさらに効率よく行えると
期待できます。標記講演会では濾過現象をモンテカルロ法により解析する例をご紹介しました。このシミュレーションでは,センター
設置のスーパーコンピュータに付いている専用物理乱数発生装置を用いて,計算機資源に乏しかった過去の研究と比べ非常に精密で
詳細な数値解析を行うことに成功しました。

 















2.「快適なスーパーコンピューティングシステムを目指して」

五十嵐 伸昭

概要:平成13年2月に稼動を開始した本所のスーパーコンピューティングシステムは異なるメーカー製の複数のコンピュータから構成されており,それぞれのコンピュータの特徴を生かしながら,利用者が違和感を感じないようにシステムを構築しています。それぞれのコンピュータの役割を明確にし,システムをチューニングすることにより,システム全体が効率よく利用されるようになってきたので,これまで実施して来たチューニングの内容およびその効果について報告しました。

 

 













3.「スーパーコンピュータ結合と超大規模シミュレーション計算によるナノテクノロジー研究ネットワーク − パラメータサーベイ実証実験 −」

一関 京子

概要:スーパーSINETを活用する目的で,平成14年10月に東北大学金属材料研究所(金研),東京大学物性研究所(物性研),岡崎国立共同研究機構分子科学研究所(分子研),九州大学情報基盤センター間にVPN (Virtual Private Network)を構築しました。平成15年1月から3月にかけて分子研のスーパーコンピュータSR8000(6ノード)と金研のスーパーコンピュータSR8000(8ノード)を接続し,金研で独自に開発した全電子混合基底法TOMBO(TOhoku Mixed-basis Orbitals ab initio program)を用いて実証実験を行ったので,その実行環境および成果について報告しました。